楽器のメンテナンスチェック

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目視で確認出来る!楽器のメンテナンスチェック

前回の記事では楽器選びで注目したいポイントとして、メンテナンスの重要性をお伝えしました。

楽器を演奏してメンテナンス具合を確認することが難しい方に向けて、今回は目視で確認出来るメンテナンスのチェックポイントについてお伝えしたいと思います

これから楽器を購入される方は勿論のこと、既に楽器をお持ちの方も、この機会に楽器の健康状態をチェックしてみてはいかがでしょうか。

まず、楽器の各部位の名称を確認してみましょう。

(出典元:バイオリンパレットhttps://www.violin-p.com/clm/parts.htm

今回目視でチェックするのは、以下の部位です。

【ヴァイオリン本体】

①駒

②側板と表板及び裏板のつなぎ目

③上駒付近の弦

【弓】

①棹(スティック)

②毛

【ヴァイオリン本体】から、順を追って見ていきます。

①駒

まずはこちらの写真をご覧下さい。

駒を横(側板側)から撮影した写真です。向かって左側が指板、右側がテールピースです。

駒が左側に大きく傾き、歪んでいるのがお分かり頂けるかと思います。弦の張力は指板の方向(写真の左方向)に働きます。そのため、こちらの写真のように駒が指板側に傾いたり、歪んでしまうことがあります。

この状態を放置しますと駒が倒れ、さらには楽器内部の魂柱も倒れてしまうケースも考えられます。魂柱が倒れますと、音が全く鳴りません。

写真内に赤線で示した通り駒は歪みのない状態、かつテールピース側の側面と表板の角度が90°を保っている状態が理想といえます。

②側板と表板及び裏板のつなぎ目

上の写真は、ヴァイオリン本体の下部を側板側から撮影したものです。

写真内の赤矢印にご注目下さい。側板と裏板のつなぎ目に、隙間が空いています

このように側板と裏板(もしくは側板と表板)の間に隙間が空いてしまいますと、隙間から音が漏れてしまい、楽器本体が共鳴箱の役割を果たさなくなってしまいます

こちらの楽器は、側板と裏板が隙間なく接着された、健康な状態です。

側板と裏板、表板をつなぎ合わせている膠は天然接着剤のため、経年によって剥がれてしまうことがあります。新作の楽器だから大丈夫…かと思いきや、よくよく眺めてみたら小さな隙間が空いていた!なんてことも。

側板をぐるっと見渡して、裏板や表板との間に隙間がないかどうか、チェックしてみて下さい。

③上駒付近の弦

こちら、楽器の上部を撮影した写真です。赤矢印で示した上駒の部分をアップにしてみます。

赤矢印の箇所にご注目下さい。弦の「巻き」が剥がれてしまっているのが分かりますでしょうか?

弦は、上駒に掘られた溝の上に乗っかっています。調弦(チューニング)の際に、弦の両端が溝にこすれることで摩耗し、写真のように弦の「巻き」が剥がれてしまうことがあります。

また、上駒の溝が深すぎるがゆえに溝と弦の摩擦が高まり、「巻き」が剥がれやすくなっているケースもよく見かけます。

上駒は弦の「巻き」が最も剥がれやすい箇所ですので、今一度チェックしてみて下さい。

続きまして【弓】を見ていきましょう。

①棹(スティック)

棹は、2つのチェックポイントがあります。最初に、棹と毛の関係に注目してみましょう。

こちら、一見何の変哲もない弓に見えますが、棹と毛が平行の状態になってしまっています。

正常な弓の棹は(弓の毛をピンと張った状態の時)赤線で示されているように中央部分がへこむような弧を描いた状態を保っています

棹と毛が平行な状態の時に考えられる原因の一つは「毛の張り過ぎ(=ネジの締め過ぎ)」です。ネジを緩めることで、棹が弧を描いた状態に戻れば良いのですが、もしネジを緩めても弧を描いた状態に戻らなかったり、そもそもネジが利かない場合は、メンテナンスが必要となります。

次に、弓をネジ側から眺めてみます。片目を瞑って、棹を注視してみましょう。

少々分かりずらいのですが、弓の先端が赤矢印の方向にカーブしています。ボーイング(運弓)で、偏った方向に無理な圧をかけ続けることで、このように棹が曲がってしまうことがあります。中古の楽器や、レンタルの楽器を買い取る際は、注意が必要です。

真っ直ぐな棹の弓はこちらです↓

僅かな差ですが、見比べますとその違いがお分かり頂けるかと思います。曲がった棹の弓で演奏し続けますと、変なボーイングの癖がついてしまう危険性もあります。棹の弓元から先端にかけて、真っ直ぐな状態が保たれているか、確認してみて下さい。

②毛

弓の毛量をチェックしていきます。写真の赤矢印部分にご注目下さい。

毛が切れたことで、両端の毛量が減少しています。演奏することで毛が摩耗し、切れたためです。

こちらは毛量が充分な弓です。見比べますと、その差は一目瞭然かと思います。こちらも中古品やレンタル品を買い取る際は、特に注意したいポイントです。

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チェックポイントは以上です。いかがでしたでしょうか?

今回は目視で確認出来る、比較的分かりやすいポイントのみ、厳選してみました。

前回の記事でお伝えした通り、楽器の状態の善し悪しは、奏者のテクニック向上を大きく左右しますし、演奏時のストレスにも影響を及ぼします

不具合が見つかったら、放置したり自力でどうにかしようとせず、まずは師事している先生や楽器店に相談してみて下さい。

きちんとメンテナンスされた楽器で、健やかなレッスンライフを!

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この記事を書いた人

桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部卒業。同大学研究科修了。
第31回「茨城の名手・名歌手たち」出演。第3回日本奏楽コンクール第3位。2016年度茨城県芸術祭県民コンサート奨励賞。
NHK水戸、茨城放送各番組に出演。
桐朋学園大学附属子供のための音楽教室元講師。 内山ヴァイオリン教室主宰。

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